怪奇愛好家。
「……だけど、菜月ちゃんは
これで普通なんだって言う。
亮太郎は、どうなんだ?」
「ああ、それで普通だ。
だけど、お前にとっては違うんだろ?」
頷いて、返す。
「留衣さんと同じだな」
「でも、何で急に?
っていうかさ、
僕も異世界から、とか言うのか?」
「そうなんじゃないのか?」
……否定も、肯定もできない。
「1つ気付いてしまったから、
全部、正しく見えてしまうんだろう」
「……正しいの?」
今の、僕の見えてる、感じている物は。
「お前にとって、それが本当なんだろ。
今までがきっと、おかしかったんだ」
「……なんで、そんな事言えるんだ」
彼にとっては、
今僕がおかしく感じている世界が
正しいものなんじゃないだろうか。
「別に信じなくてもいいけど、
俺がエスパーとか言ってただろ?」
「ああ、うん」
そういや、そうだ。
「物とか人に触ると、なんとなく、
起きた事象が解ったりするんだけど、」
そう前置きして、彼は話し始めた。