怪奇愛好家。


「あの花、ご両親か
 茜姉さんが持って来たのか?」

明日退院なのに?と、
花瓶に生けてある花を見て言った。

「いや、看護師さんから渡されたんだけど
 何か同い年位の女の子が
 持ってきてくれたらしいんだ」

まったく、覚えが無いのだけれど。

しかもそれは、帰ってきてすぐ、
病院に連れてこられた時にらしい。

まだ入院も決まって無い時に、だ。


「……何か怖いんだけど、どうしよう」

「もしかしたら、
 美少女幽霊かもしれないじゃん」

よかったな!と、肩を叩かれた。

「人間希望ですから!」

美少女でも、幽霊はお断りだ。



コンコン

ははっと、笑われていると、
またノックがあった。


「どうぞー」

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