怪奇愛好家。


「やあ、体は大丈夫かい?」

「あ、啓吾さん!
 わざわざありがとうございます」

啓吾さんは、姉さんの恋人だ。
もう6年以上は付き合っている。

姉さんも一緒だし、
この人も今日退院だと知っているだろうに
……まさか、彼も亮太郎と同じなのか?

彼も、心霊現象大好きだ。
そして、見える人らしい。


「近い内に家族になるんだし、
 心配だったから様子見に来たんだ」

すぐに帰るから気にしないでと、
彼は言った。


「疑ってごめんなさい!」

「え、何?」


彼はただ、
僕の事を思いやってくれていた。

そして、僕の居ない間に
恋人から婚約者に昇格していたらしい。

おめでたい!


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