怪奇愛好家。

トンネル内での出来事を話して、
この場は解散する事になった。

「顔色悪いよ。大丈夫?」

そう言って心配そうに啓吾さんに訊ねられた。


「家まで送って行こうか?」

「いや、近いんで大丈夫です」


「送ってって貰いなさいよ」

口を挟んだのは菜月ちゃんだ。


「本当に顔色、悪いわよ。
 汗かいてるし」

そう言って、ハンカチを取り出し
僕の顔を拭ってくれた。

「怪奇体験、羨ましいけど
 それはともかく、無事でよかったわ」

そう言って、彼女は笑った。

不覚にもその笑顔に、
僕は一目惚れしてしまったようだ。


や、見た瞬間じゃないから違うんだろうか。

……どうでもいいか。
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