怪奇愛好家。

「そうよ、あなたに言ってるの」
無視してた訳じゃないのね。と
彼女は続けた。


「ここ、
 いわゆる心霊スポットってヤツでしょ?
 こんな所で、1人で、何やってるの?」

「……肝試しとか……」

「こんな真昼間に?バカじゃないの?
 全然怖くないじゃない。
 警備員さんだっているし。

 それに、『とか』って何よ。
 他に何かあるの?」

「……何も無いです。ゴメンなさい」

なんだこの子。

別に何も悪くないのに、謝ってしまった。


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