Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
“愛”
高野課長は無言でハンドルを握り、どこかへ向かっている。
私は、なんだかこの異様な空気にいたたまれない気持ちでいっぱいだった。
「………どこに行くんですか?」
私は思いきってそう話しかける。
しかし、課長からは何の返事もない。
私は自分の手をぎゅっと握って俯いた。
「…俺んち」
しばらく経った後そう答える課長。
その言葉に顔を上げると、以前井川さんに連れてこられた課長のマンションがもう目の前だった。