Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
私が小さな声でそう言うと、課長は私をじっと見つめたまま動かなくなった。
…え?
な、なんでなにも言わないの?
私は不安になり、空いている方の手で課長の服の裾を掴んだ。
すると課長は私の身体に腕を回し、大切なものを包むように抱きしめる。
「…やべぇ、嬉しい」
私はほっとしたように息を吐きながら、課長の身体に同じように腕を回した。
「よかった」
そう漏らすと、課長は私の顔のあちこちにキスを落とす。
―――柔らかくて、甘くて。
私たちは、しばらくずっとそうやって抱き合っていた。