Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
「…詩穂って呼んでいい?」
唐突にそう話しだした課長を、私は目を見開いて見つめた。
「え?もうさっきから呼んでるじゃないですか」
私がそう返すと、課長は顔を赤くして視線を逸らす。
「いや、そうなんだけど………呼び捨て、嫌だったらどうしようかなって」
そんなことを言う課長の姿がなんだか可愛くて、私はつい声を出して笑ってしまう。
「あはっ!…大丈夫ですよ。むしろ、嬉しいです」
そう言うと、課長は手に持っていたマグカップを近くのテーブルに置き私に迫ってきた。