Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
私は視線だけ上にあげて静香の顔を見る。
「…そういうもん?」
「だって詩穂が初めてだって知ってるわけでしょ?だったら尚更よ」
静香はそう言ってくれるけど、私は不安だった。
………涼平さんとのことはきちんと話をした。
けど、あんな現場を見られちゃったんだ。
もしかしたら、私のこと嫌がってるんじゃないかな。
昴さんのことは疑いたくない。
だけど不安なの。
…こんなこと、昴さんには言えないよ。
“キス以上先に進まなくて不安”だなんて。
私はまた机に突っ伏して、ぐるぐると答えの出ない悩みに頭を使っていた。