Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
―――その日の午後、決定的な言葉を聞く羽目になるとは思わなかった。
私たち新人は研修のために午後から会議室に集まり、先輩社員の話を聞いたり作業をしたりする。
それが終わる頃には17時を回っていて、私と静香は終了後営業部までの通路を歩いていた。
角を曲がったところで、井川さんと歩く昴さんの姿を見つけた私は声をかけようとした。
しかし、二人の話の内容に声が出なかった。
「…で、里谷ちゃんとはまだなのね?」
「あぁ。…やっぱり抱けないよ」
昴さんのその言葉に、私は立ち尽くすほかなかった。