Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
井川さんも高野課長も、笑顔で群がる女性をあしらいながら昼食を選んでいる。
………けど、やっぱり課長は目が笑っていない。
井川さんは本気で楽しんでいるように見えるけど。
私がそんな風に課長を観察していると、不意に課長がこちらに視線をよこした。
―――ヤバッ!
私はわざとくさいぐらいに首を曲げ、高野課長を視界に入れないようにした。
「どしたの詩穂?」
「い、いやいや!それより早く食べて歯磨きしちゃおうよ!」
私はそう静香を促し、そそくさと食堂を後にした。