Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
「馬鹿だよなぁ。…こんな男に女は群がる。本気になんかならない奴に、一生懸命“好きだ”“愛してる”って言ってくる。あの受付嬢も、社内の女どもも」
私を見つめながら、愛を囁くような甘い声色で愛を否定する高野課長。
その甘い表情に、私の心臓は壊れそうなくらい高鳴っていた。
「―――里谷、俺の本性に気づいてたんだろう?」
「え………」
「見ればわかるさ。明らかに俺を見る目がほかの奴らとは違う」
―――やっぱり、あの違和感は間違ってなかった。
そう確信したところで、なんにもならないのだけれども。
すると課長はうっとりするくらい妖艶に笑い、次の瞬間信じられないことを口にした。