Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
好きかどうか聞かれたら、間違いなく嫌いな部類になる。
けど、なんだろう。
心に刻まれた課長の痕が、確実に疼き始めていた。
「―――あーっ、もうなんだってのよ!」
「…ちょっと落ち着いてよ。ここ店だよ?」
その日の帰り、私と静香は会社近くの居酒屋で飲みながら先ほどの高野課長の話をしていた。
…いや、課長の家族の話はしてないけど。
「落ち着けないよ…私のファーストキスがぁ………」
私はグラスを手に持ちがっくりとうなだれる。