Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
私は高野課長の態度にうろたえながら再び仕事に取りかかった。
…って、誰かに聞こえてたらなんて言うつもりなの!?
―――案の定、課長の周りには今の会話を聞いていた数人が群がっている。
「高野課長、なんか意味深っすね〜」
「もしかして、里谷さんのこと狙ってんすか!?」
そんな会話は私にもしっかり届いていて、私は意識してしまって身動きもとれない。
みんな課長の言葉を待っているようで、辺りは一瞬静かになる。
「………ご想像にお任せしますよ。ね、里谷さん」
そう言う高野課長なんて私は見ることもできずに、ひたすら仕事を終わらせるよう手を動かした。