Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
扉の向こうからやってきたのは、俳優さんのように整った顔をした男性だった。
しっかりセットした髪に涼しげな目元。
彼を見た瞬間、私の心臓が鷲掴みされたようにきゅっとなった。
「おぉ、高野君!早くこっちに」
部長がそう言ったのを私は聞き逃さなかった。
………高野って、あれが高野課長!?
あんな人とこれから仕事するわけ!?
うぅ、緊張しそう。
「高野君には里谷詩穂君をお願いするからよろしくな!」
部長はさらっとそう言って、次々に指導社員の名前を読み上げていった。