Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
…うすうすはわかっていた。
テレビドラマじゃ俺と同じくらいの子供が両親と暮らしているのに、俺は同世代の子供や園長先生と暮らしている。
親の顔を知らない子供は、この中でも俺くらいだった。
「…ぼくは、“かわいそう”なんだ」
そう呟くと同時に、幼い俺は孤独に耐えきれずに泣き出した。
布団の中に入って、声が周りに聞こえないようにして。
―――小学校に上がる、少し前の冬だった。