Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
「私、高野君のことが好きです…よかったら、私と付き合ってもらえませんか?」
学年が上がると、俺はこんな風に告白を受けることも多くなった。
「………ごめんね。俺、今はそういうこと考えたくないから」
そういって申し訳なさそうに相手の顔をのぞき込むと、相手はさらに俺のことを意識して顔を赤くする。
そして、そのときの俺の顔は笑顔でも、心の中は全く笑っていなかった。
………馬鹿じゃないのか?
俺が、好き?
愛を知らない子供は、愛し方だって知らないのに。