Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
「………はぁ」
里谷をアパートまで送り届け、自分の家に着いた俺はそうこぼした。
真っ暗な部屋の中は、まるで俺の心の内を表しているよう。
俺は電気をつけることもせずに、手探りでソファに辿り着く。
そのまま座り込み、目を閉じた。
―――不思議なやつだ。
一目で俺の本性に気づいた割に、恋愛に全く疎い。
まさかのファーストキスだと言って泣き出す始末。
…俺のファーストキスは、いつだったかも思い出せないのに。