Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜





「………はぁ」


里谷をアパートまで送り届け、自分の家に着いた俺はそうこぼした。


真っ暗な部屋の中は、まるで俺の心の内を表しているよう。
俺は電気をつけることもせずに、手探りでソファに辿り着く。


そのまま座り込み、目を閉じた。






―――不思議なやつだ。
一目で俺の本性に気づいた割に、恋愛に全く疎い。


まさかのファーストキスだと言って泣き出す始末。


…俺のファーストキスは、いつだったかも思い出せないのに。





< 56 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop