Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
今までそんな女とは遊んでこなかったからか、全くつかめない。
俺は里谷にキスしたときのことを思い出そうとしたが、全く思い出せない。
頭に浮かぶのはその直後の泣き顔だけ。
―――その瞬間、なにな胸の奥で締め付けられるような感覚があった。
…なんだ?
「………チッ」
俺は、そのよくわからない感覚をかき消すように携帯を開いてメモリーを辿った。
しかし、すぐに乗り気がしなくなって手を止める。
一筋でいると、あいつと約束したんだった。
…理由も目的もわからないままに。
俺はそのまま、ソファに寝転がって目を閉じた。