Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
接近する距離
―――あれから数日が経ち、社内中にしっかりと私と高野課長の噂が広がっていた。
課長のそばにはいつも以上に女の人が群がっているし、私のところにはお姉さま方からの厳しい視線が届く。
そのせいで私は食堂にも行きづらくなり、静香も巻き添えにして休憩ブースでパンをかじる日々だ。
「…しかし大変だね。高野課長も詩穂も」
静香は脳天気にそう言い、コンビニのおにぎりをかじっている。
私は、机をドンドン叩いて抗議した。
「課長は勝手によけいなことをしたせいで、私までとばっちり…静香、代わってよ」
そう言うと、静香は首を横に振るばかりだった。