Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
欲しいものはひとつ〜昴の場合〜
―――夢を見ていた。
小さい頃、風邪を引いて眠っているとたまに園長先生がやってきて汗を拭ってくれる。
…園長先生は独り占めできないから。
みんなの先生だから、ずっとそばにいてくれることはない。
でも、こういうときだけは独り占めできる。
誰にも言えなかったけど、俺はこの瞬間が一番好きだった。
高校を卒業して、一人暮らしをしてからは誰にも看病されたことがない。
…苦しくても辛くても、一人で耐えた。
ずっとそうやって生きてきた。