Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
聞きたいことを飲み込んで、俺はリビングのソファに座り込んだ。
聞きたい。
…けど、聞けなかった。
―――おまえは、俺じゃなくてもこんな風に優しくしてくれるのか?
そんなことを聞いて、彼女が返事に困るのは目に見えている。
だって、“俺の女”だって俺が言ってるだけなんだから。
俺がそう言って、立場を利用して縛り付けているだけなんだから。
「―――大丈夫そうなら、もう帰りますね?」
そう言う里谷を、引き留められなかった。
だって俺は偽りの恋人。
俺の一方的な想いだけなんだから。