Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
加速する感情
―――週明け、なんだか私は高野課長の顔をまっすぐ見れなかった。
少しでも視界に入ると課長の上半身が頭をよぎるからだ。
………引き締まってたな〜。
って、そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!?
「―――おい、里谷!ぼんやりしてるな」
私は今、課長に同行して最近新しく取引を始めた会社へ打ち合わせに来ている。
部屋に通され相手を待っている間にぼんやりしていたら、課長にそう注意されてしまった。
「あ、す、すみません!」
そう返事をして姿勢を正すと、課長はフッと笑う。
その笑顔が妙に柔らかくて、私の心臓はまた高鳴った。