Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
その声の主に気づいた私は、相手の顔をまじまじと見た。
「なんだ橘。知り合いなのか?」
彼の上司はそう彼に問う。
すると彼は頷いて、興奮したように会話を続けた。
「えぇ。大学の後輩です…覚えてる?」
そう言われ、私は静かに頷いた。
「―――涼平さん、ですか?」
私がそう言うと、涼平さんは笑顔で頷く。
―――私の隣で、高野課長の表情が変わったことなどこのときの私はわからなかった。