Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
二重人格
それから数日がたち、私たち新人も少しずつ部署に慣れていった。
私は高野課長に同行させてもらい、取引先を回ったり打ち合わせに参加したりしている。
………しかし、課長のモテることモテること!
行く先々で食事に誘われたり飲みに誘われたり。
私はそのたびに柔らかく笑ってさらりと誘いをかわす課長を、ある意味尊敬する。
「あ、あの…高野さん、これもらってくれませんか?」
午後イチで回った取引先を後にするところで、その会社の受付の方からそう言われなにやら差し出されている。
………手紙じゃん!
いわゆるラブレターってやつ!?
高野課長は困ったような表情ながらもそれを受け取り、その場を後にした。