Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜
“色々”だなんて何かを含ませた言い方をする涼平さんは、あのころと何一つ変わっていない。
涼平さんは高野課長の肩に手をやり、にこりと笑って口を開いた。
「次の打ち合わせの際にも詩穂ちゃん連れてきてくださいね?積もる話もありますから」
そう言うと自分の書類を持ち、部屋を後にするのだった。
「………帰るぞ」
高野課長は、涼平さんが去るとすぐにそう言い足早に歩いていく。
私は、置いて行かれないよう必死で課長の背中を追いかけた。