Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜





すると、いきなり腕の力が弱まった。


課長の身体が離れていき、課長と私の視線がぶつかる。



「…ずるいよ、おまえ」


そうぽつりと言う課長。
私を見据える視線は、完全に上司のものじゃない。


“男”の視線を私に向けた課長は、私の後頭部に手を添える。



「………遠慮しないからな」






―――そう掠れた声で囁いた課長の唇が私の唇に重なる。


この間のキスとは違う。
触れあってるだけで熱くて、くらくらしてしまいそうだった。





< 86 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop