恋愛遍歴-愛を求めた日々-

中に入り、インターホンで呼び出しをする


…がなかなか茜の返事がない。     


希は一瞬、バカな事を考えてしまった…。


「茜!出て!お願い、茜!」


声は聞こえないが、ロックが開いた。


希は急いで茜の部屋に向かう。


エレベーターに乗って、十階までの時間がやけに長く感じた。


「お願い、早くついてよ」


このエレベーターが遅い訳ではない。


気持ちが焦っているだけなのだが。


やっと十階につき、茜の部屋に走る。


そして、チャイムを鳴らす。


希の息は、少し切れていた。


「茜、開けて、茜」


なかなか出て来ない茜に、思わず名前を呼ぶ


ガチャと言う音がして、ドアが開いた。


茜を見た瞬間、希は一瞬息が出来なかった。


『希…』と茜が言った瞬間、茜はその場に崩れ落ちた。

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