恋愛遍歴-愛を求めた日々-
「そんなに食べなきゃ、戻すに決まってる。
知り合いの医者に来てもらうから、点滴してもらおう。
このままだったら、動けなくなる」
希はそう言って、茜の答えも聞かずに、寝室に連れて行った。
茜をベッドに寝かせ、希はこう言った。
「夜には奈美も来るから。
ずっと私が付いてるから、安心していいよ。
医者が来るまで、少し眠ろう」
茜は、何も言わずに目を閉じた。
希は茜の手を握って、しばらくそばにいた。
「書けないのには、きっと理由があるはず。
その原因が分からないと、茜は立ち直れないかも知れない…」
希の中にも不安が襲っていた。
でも、こう自分に言い聞かせた。
「私が落ち着いてないとダメ。
私に出来ることをしていかないと」と…。