恋愛遍歴-愛を求めた日々-

希の言う事はごもっとも。


でも茜の中には、拓也とは幸せになれない予感がしていた。


『拓也が私の前に現れたのは、光との約束のためなんだよ。
光が息を引き取る間際に、拓也に私を頼むって言ったらしい。
でも、光の死の真相を隠してる事が辛くて、私の前から姿を消した。
全ての真相を話すために、拓也は私の前に現れた。
光との約束に囚われ続けただけで、私の事を思い続けてって訳ではない。
それに、拓也は抱え続ける必要はない。
この街に戻って来たからって言って、私が関わると拓也の未来はない…。
私と拓也はどこまで行っても、違う道を歩き続ける運命なんだよ』


そこには、茜の優しさが見えた気がした。

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