恋愛遍歴-愛を求めた日々-
希は話をコロッと変えた。
「ねっ、茜。来年はどうするの?
本一冊しか出さなくていいいんだから、時間には余裕があるでしょう」
『来年の事なんだけどね、思い切って環境変えてみようかと思ってるんだ。
取りあえず半年、この街を離れようかなって考えてる』
茜の頭の中には、こんな考えがあった。
去年、昔関係を持った男からはがきが来た。
実家が旅館をしていて、今はその旅館を継いでいる。
是非、遊びに来て下さいと。
そのはがきを見て、茜は連絡をした。
『実はね、知り合いが旅館をしてて、来年の年明けから、
半年そこでお世話になる事になってるんだ』
「えっ!茜がその旅館で働くって事!?」
希は余りにも唐突な話に驚いていた。