恋愛遍歴-愛を求めた日々-
年が明ければ、茜は違う世界へと新しい一歩を踏み出し、
奈美は春には新たな人生のスタートを切る事になる。
四十歳を迎え、茜も奈美も自分の人生と向き合い、答えを出した。
何も変わらないのは、希だけだと思ってしまった。
「何にも変わらないのは、私だけだね。
茜に逢えないかと思うと、寂しいね」
『希はそのままでいいんだよ。
旦那とだって、今は上手く行ってるんでしょ
ちょんと主婦してればいんだって。
希、この街で私の帰りを待っててよ。
絶対にまた戻って来るから。
戻って来たら、また小説の日々に戻るから、
この街で、この部屋でまた過ごして行くからさ』
「分かった、ちゃんと待ってるから。
茜がまたここに戻って来る日を…」