狼な執事サマ!!
別に気にしていないのに。
タメの方が敬語よりいいのに。
祐也は私との関係を線で区切っていた。
執事とお嬢様。
それ以上でなければそれ以下でもない。
いつだって執事という先に手を伸ばそうとしない人だ。
「おはよー、祐也くんと美夜。」
「おは…」
「ねぇ。
祐也クンってば聞いてー♪」
「はい。」
私のあいさつもクラスに届かなくなっていた。
もちろん一緒に住んでいるし、こんな関係なので朝の登校は一緒だ。
二人で話すのはとても楽しい。
でも教室に入ると。
私は祐也の隣に居れなくなる…。