桜りっぷ
浬は見つめる

ずっと、向こうを・・・

歩いてきた道を貴方は見つめる

カイリ・・・

見ないで・・・

私だけを見て。

「帰ろう、カイリ」

「ああ、帰ろう」

大好きだった、この街に

私は背を向ける時

とても

寂しい気持ちになるの。

真っ暗な空

雨露に濡れる街・・・

花嫁の手、腕を優しく包む
サテン生地の純白の
ウェディンググローブ。

顔を覆う・・・

『土壇場で逃げたり
 しないでよ』

『逃げねえよ』

「嘘つき・・・」
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