桜りっぷ
「私が、泣いたりしたから
 そう言ってくれるの?

 アイのことを
 羨ましがってるから・・・
 
 そう言って
 くれるんでしょう?

 そうじゃないとおかしいよ
 
 貴方は、あの別れの時
 何も言ってくれなかった

 私の連絡先を聞く事も
 もう一度会う約束も
 何も無かった

 私にもう一度会う事
 など望んでいなかった

 好きだなんて、嘘・・・」
 
貴方は、また煙草を銜えた。

数秒立って、火をつける事なく
銜えた煙草を、唇から外した

「望まなかったのは
 お前だろう?

 お前は、ずっと
 俺と過ごしながら
 何かを考えてた」

『何、考えてる?』

塁は、あの時
茉優に、そう問いかけた。
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