桜りっぷ
「俺に聞くなよ
 
 俺の連れは、ムショにいる
 セキと、ヤクザ稼業に
 どっぷりのルイだけだ」

湯船の中、浬の方を向いた藍

「カイリ、寂しい?
 二人に会えなくて・・・

 ルイさんとは、いつから
 連絡取ってないんだっけ?」

「退院する前に会ったきりだ」

少し暗い表情になる、藍。
 
「私のせいだよね?
 
 私が、カイリが極道に戻る事
 恐れてばかりいるから・・・
 
 でもね、ルイさんに会う事を
 咎(とが)めたりはしないよ
 彼は、貴方の大切な人だもの
 
 私に遠慮せずに、彼に
 会ってもいいよ」

湯船を出る、浬。

「ルイから連絡が無いのは
 俺が連絡するなと言ったから
 で、お前のせいじゃないさ

 いいんだよ、連絡が無いのが
 元気な証拠っていうじゃん」
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