桜りっぷ
シャワーのお湯を頭から被る
浬。

浬の背中に生きる黒龍も
友に会えなくて、寂しそう。

貴方達は

同じ時を駆け抜けた

仲間・・・

私は湯船を出て、浬の頭を
洗ってあげる。

それは、私の日課・・・

ずっと、これからも続くの。

結婚式まで、一ヶ月・・・

ここに、辿り着けるまで
私達は幾度と別れを繰り返した

私の知らない貴方を
彼らは一番近くで見てきた。

私よりも、ずっと近くで・・・

貴方達は、同じ時を
駆け抜けてきた、友。

寂しいね・・・

浬・・・

寂しげな黒龍の背中を
シャンプーの泡が流れていく

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