桜りっぷ
「あの時の私は
 本当の私じゃない・・・」

名前しか知らない男性と
体から始まった関係を彼女は
今、心から悔いている。

もっと、違った出会い方が
あったかもしれない・・・

あの夜の、私は偽物・・・

茉優の声が、途絶えた。

「ヒロ、泣いてるの?」

鼻を啜る音・・・

「私、恋に破れて
 どうかしてた・・・
 寂しかったのかもしれない」

藍の頬に触れる黒龍の刺青

幸せそうな藍の姿・・・

羨ましい・・・

「そんな時、目の前に現れた
 彼は、見るからに男らしく
 守ってくれそうなタイプの人
 で、笑顔がとても素敵で

 彼の傍にいたい
 彼に触れたいと、思ったの」
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