桜りっぷ
こんなにも、女々しい男に
お前は、愛想が尽き、出て
行った。

ここに戻ってくるわけねえな

俺は意味も無く、大声で笑う

お前へのこの想いを
吹っ切る為に・・・

笑って、笑って

そして、笑い声が消えた
静かな部屋に一人きり。

ここは、あまりにも寂しい・・

寂しすぎるぜ。

道路脇に停まった車から
降りる男性の足どりはふらつき
歩道の木に向かって吐く始末

「カイリ、お前
 いい加減にしろよ

 やめろって言うのに
 やめねえ、罰だ

 じゃあな」

ドアは閉まり、車は浬を
一人残して走り去る。

俺は、毎夜、毎夜、毎夜
酒に酔い、こうして重い扉を
開く。
< 9 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop