夢の実
後から気づく。
今日は早めにノートをとれたので短い物語を書いた。
しかも、今日やった所の次のページだ。
確実に、見られる。

そう思ったときにはもう、遅かった。
「お前・・・こんなん書いてるのか?」
 少し笑い気味で多摩川が言う。

「・・・別にいいやろ。」
一気に気分が悪くなる。
「しかも・・・なんやしコレ。エロすぎやろ?」

 多摩川が見た作品は高校生向けの小説。
 健全な男子ならつい憧れてしまう、あんなことや、こんなこと。
 夢の実が詰まった事を書いていた。
胸が痛む。

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