夢の実
 これを見た奴は、大抵は他の人に見せるか、大声で音読するからである。
 明日から俺は肩を狭くして生きなければならなくなる。

「いいからもう返せよ!!」
 まだ写していないと思ったが、そんな事はどーでもいい。
 見られたショックが大きかった。

「お前ちょっと来い。」
 多摩川は無理やり俺の腕を引っ張っていく。

連れてこられたのは屋上だった。
この流れだと、小説では交換条件を出され付き合わされる。
 それは男子と女子の場合だ。

男同士ではカツアゲぐらい。
でも今所持しているものは、120円と社会のノートだけである。
 あと、ありえるのは、暴力。

喧嘩はさして強くは、ない。
多摩川みたいな野球をやっている強い男にやられたらー・・・。
 病院送りが大いに予想された。

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