world story
「あら?楽しかったわよ?」

レーナが真顔で言う。


「外のいろんな音を聞いたり、窓から見える景色を見たり…いつ誰がここに来るか予想してみたり」


「……うん」


「あとたまに倉庫の掃除も行われたから、退屈ではなかったわ」


―俺は嫌だわ…そんな生活…―


「リト?聞いてる?」


ひとりで考えてたリトにレーナは少し怒り気味で言う。


「わぁ!はいはい、聞いてます」



「ねえ…本当に、いいの?一緒に旅に出てくれて」


「まあ…俺も暇だし…あ、お前金持ってるか?」


「え?これのこと?あ!」


レーナが出した袋をリトは素早く取る。


「何するの?!」


レーナはリトを睨む。


「ほう…結構あるな…これでしばらくは金に困らないな!」

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