world story

｢少女は牧師に言いました。私は女神アイラから誕生した存在、私がアイラの予言をあなた達に伝え、あなた達を助けます。ですからこの教会に住ませて下さい…と。それから少女は教会で暮らすことになりました。｣


｢…こないだの教会で見たヤツと同じヤツか？この話｣


｢その少女は自分の言った通り、女神アイラの予言を人々に伝えていました。
地震がもうすぐ来る…とか、台風がやってくる…と。人々は少女の予言により安全な所へ避難して誰ひとり怪我なく暮らしていました。人々は少女にたくさんのお礼を与えました。少女もまたそのお礼として、予言で人々を守りました。
少女は、みんなから聖少女と呼ばれるようになりした｣

｢………｣


リトは黙って話を聞いている。


｢しかしある日、その聖少女は人々に予言をしなくなりました。毎日ただ椅子に座って、ずっと黙っていました。牧師さん達は聖少女のことを心配したけど、聖少女は"大丈夫"と言い、ずっと黙っていました｣