world story
「…ちょっと別のことに使うんだよ…てか重いからいい加減どけよ」


「わ!ごめん!」


リトは起き上がるとエニーに言う。


「で、このナイフはなんのために?」


「ちょっと髪を切ろうかな〜って思ってね…」


「エニー…髪短いじゃん、これよりも短く切るの?」

「前髪だよ…」


エニーの前髪は元々目が隠れる位長かったが、今は結構伸びている。


「……静かにしてろよ」


エニーは左手で前髪を掴み、右手のナイフでバッサリと切った。


「………」



首を何度か振り、髪を整えた後、彼女はリトを見る。

あんなに長かった前髪が今はすごく短い。


エニーが別人に見えた。



「なんか…スッキリしたな」

「ああ…私…今日泣いて…なんか気づいた…私…今までなんか重たい人間だったなって…故郷を破壊した奴を殺そうと…いつも思っていた…」


「エニー…」


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