world story
「ここから聞こえたよ、あんたの言葉…レーナはレーナ…そうだよね…すぐにそれを受け入れることはちょっと無理かもしれないけど…」


「…お前…大丈夫なのか?」

「…多分ね……ねえリト…外に出てみよ?…外の空気…吸いたくなった」


「ああ」





「ふぅ…」


夜の町……静かで…心が落ちつく…


「…レーナだったのか…故郷を破壊したのは…なんかウズウズするなぁ…」


エニーは体を動かしながら呟く。


「まあな…昨日まで一緒だったからなぁ…」


「……今あいつ…何してんのかなあ…」


「さあな…」


「………っごめん…私…やっぱりまだあいつのこと……っ」


突然エニーの目から涙が溢れてくる。


「エニー?!」


「ごめん…リト…私……っ」

「やっぱり悲しいよな…」


「リト……っちょっといい?」


「え?」


するとレーナはリトの胸に頭を埋めて泣いた。



「……エニー………」


リトはしばらくこのまま立っていた。

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