world story
城の前には衛兵がふたり立っていた。
「待て、そなたは何用だ?」
「王に会いに…ね」
エリカはそう言うと一枚の紙を衛兵に見せる。
「…!!これは…エリカ殿…どうぞ、お入り下さい、そこのお嬢さんも?」
「ああ」
こうしてエリカとエニーは城に入る。
「ダスト王にお会いなされる者、ここに待たれよ」
そして、目の前の扉が開く。
「エリカ君ではないか、どうしたのだ?」
「ダスト王!彼女…ご存知ありませんか?」
「……………?よく見ると…私の娘に似てるように見えるが…」
「いや、その娘だよ、この子はね、しばらくの間記憶を失ってただけだったんだ」
「…そんなことを言われても…信じられんな…」
「エニー、ここはあんただよ」
小声でエリカが言う。
「ああ…お父様…私…私はエニーです…」
言葉がなかなか浮かび上がらない。
エニーはこのまま信じてもらえないのかという不安が湧いてきた。