world story
「あぅ…」


「なあレーナ、お前ひとりでこの森を通ったのか?」

エニーがレーナに聞く。


「ええ、朝早くに…」


「おいおい…ここには魔獣がいるってのに…」


「魔獣?」


レーナは首を傾げる。


「いや…この森の中には人を食う魔獣がいるんだよ…お前運がいいなぁ」


「そう…かな、まあ行こう」

「ああ」


「ちょっと!待ってくれよ!」


リトは森へと入って行くふたりを追う。





森の中はエニーが落とした珠のおかげで道が分かった。


「おお…道ができてる」


「ああ、じゃあまっすぐ…この森を…」



するとその時、3人の前に大きな魔獣が牙をむき出し、こちらを睨んでいる。


「グルル…」


「な…何よこれ!!」


レーナが杖を取りだし、構える。


「こいつだ…こいつがあの人食い魔獣だ」


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