world story
異界
「う…ん…」
朝、リトはいつもより早く目覚める。
「…あれ…布団がかけられてる」
まだボーッとしているリトはゆっくりと起き上がる。
すると
「あ、リトおはよ」
廊下のベンチでレーナが明るく言う。
「ああ…おはよ」
しばらくして、エニー、ダン、ウェースが起きてくる。
「レーナ、まだ目的地まであとどれくらいかかるのか?」
アラストの中でリトが聞くと
「うん…まだまだ…」
「そっか」
「ん?なんか…おかしいぞ?」
突然ウェースが言うと、アラストが少し傾いた気がした。
ガクンッ!
「うわぁ!」
「何が起きたんですか?!」
「あはははは!私が乗っても分からないとは!」
そこにやってきたのは腰まである長い髪の女性だった。
「そこの少女を私によこしな」
女はレーナを指さし、ニヤリと笑う。
「な、なんなんだよお前は…レーナはやらなきゃいけない使命があるんだよ!」
「我が名はシミラ…神トゥールスが誕生させた存在…と言ってもいいかしら」