【短編】狼彼女とチョコレート
狼彼女とチョコレート



「…ホント、あり得ないから。」


「え?は?!」



意味が分からないというような顔でこっちを見る会長。



そんな表情が余計にあたしの心を苛つかせる。



「大体、なんでそんなことになってんの。」


「え…あ……いや…」



口籠もる会長。



悪いと思ってるなら、最初からしないでほしい。



……怒りたいわけじゃないんだから。



すう…と深呼吸して、会長の手から紙袋を奪いとる。



…わかってた。



あんなあたしの忠告くらいじゃ済まないってことぐらい。



それに、あたしだってこのイライラの正体が分からないほど子供じゃない。



“ちゃんと断らないと、大変なことになるよ?”



そう、あたしは数日前に忠告したのだけど



紙袋の中には、綺麗にラッピングされた“あれ”がたくさん入っている。



あたしはその中の一つを手にとって開けた。







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