【短編】狼彼女とチョコレート



「ひゃ……んんッ…」



会長に腕を思いっきり引っ張られて、あっという間に教室の角に追いやられていた。



チョコレートの甘い香りが口内に広がる。



でも、それ以上に会長の方が甘い。



少し強引だったキスが段々優しくなる。





……会長は時々、ズルい。



あたしはこうなると、もう何も考えられなくなる。



自然とあたしの腕が会長の首に回る。



その瞬間、会長がビクッと反応した。




「…ここ、弱いんだ?」



あたしが企んだように微笑んでそう聞くと、少し乱れた会長が鋭い視線を向けてきた。



その視線が普段より色っぽい。



というかエロい。



「…今日ぐらい、俺にやらせろ。」


「な…ゃン……ぁっ…」



“なんで?”



そう聞きたいのに、会長がそれを許さなかった。






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